男木島の空き家事情 ( 2022年10月15日更新)

U・Iターン者の増加に伴い、男木島の空き家を取り巻く状況がここ3年間で大きく変わって来ました。衣食住の「住」が無ければ、何も始まりません。男木島(町)がある香川県高松市でも空き家について議論される事が近年増加しています。そこで現在の男木島の空き家事情と問い合わせ頂いた事例をご紹介したいと思います。

  • 空き家の数
  • 空き家の状態
  • どこで借りられるの?買えるの?
  • 空き家バンクや移住に関する補助は無いですか?
  • 別荘にしたい・空き家活用にしたい
  • 大工さんや工務店はないの?

空き家の数

男木島は令和4年9月現在150人[1]が暮らしています。70歳以上の人口は全人口の6割を占めますが、実際のところ全員が島で生活をしている訳ではありません。理由として、島外の施設に入所されていたり、親族の家に同居されているケースがあります。
全体として100人程度が主な生活を島で営んでいるような状況です。家自体の数は170軒程度確認できます。その中でいわゆる空き家も40軒程度はありますが、年に1度も帰ってこない家は20〜30軒程度はあると考えています。例えば5軒あれば、2軒は常に人のいる家、1軒は男木と高松を行ったりきたりする家、1軒は年に数回帰ってくる家、1軒は全く帰ってこない家と考えてもらってもおおよそ問題ないと思います。

空き家の状態

空き家の状態についても、資産価値としてではなく、住める状態か否かで便宜的に5段階程度に分けて把握しています。

状態A 修繕すこともほぼなく、清掃後すぐ住める家
状態B 若干の修繕は必要だが、白蟻や雨漏りのない家
状態C 大幅な修繕が必要 床が抜けていたり、雨漏りしている家
状態D 倒壊の傾向が見られる 家が傾いていたり棟が落ちたりしている家
状態E 半・倒壊している家 1から立て直すほうが早いような状態の家

いわゆる男木島の空き家でもっとも多い状態が、Cです。ついでBとD。Aの状態の空き家は少ないです。もう少し、細かく分類すると、B-からC+が多い感じです。年々空き家としての期間が長くなり、家の傷みが見受けられるようになってきています。また、数件Eの状態の空き家もあり、倒壊の危険もあり、問題視されています。
因みにですが、男木島図書館も築80年以上の古民家で40年近く空き家でした。その状態はD−。修繕できる状態としてはギリギリでした。

どこで借りられるの?買えるの?

男木島には、不動産業者はありませんが、高松市内の不動産業者の方が島内の空き家を管理されているケースが数件あります。家を借りる、購入するといった場合は不動産事業者にお問い合わせ頂くか、直接家主さんに話を持ちかけるか、島内ネットワークで入ってくる情報をキャッチするしかありません。また、気になった空き家があっても所有者がわからない場合もあります。登記を調べても、相続されていない物件が多いです。その場合は親族や知り合いを探し出し、実質管理されている方と相談、協議する事が殆どです。
因みに賃貸の場合の相場は0円〜2万円程度です。0円で借りられる場合は大家さんからの援助は無いと考えてください。また、家賃が発生する場合は契約書を確認してください。
修繕など島ならではの難しさもあるので、実際は自分である程度出来ないと困るケースもあると思います。不動産売買についても、印紙代だけ〜数百万といった具合です。こちらも巡り合わせの賜物ですので島に住んでいないとなかなか情報が入ってきません。

空き家バンクや移住に関する補助は無いですか?

移住に関するメニューも増えてきいて、男木島(高松市)へ活用できるメニューもあるのでサイトをご覧頂くか、高松市移住定住促進室へお問い合わせください。私たちでできることもありますので、スムーズな移住に繋がるようお手伝いします。

高松市移住ナビ
https://www.takamatsu-iju.jp/

かがわ移住ポータルサイト
https://www.kagawalife.jp/

高松市移住定住促進室
http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/kurashi/shinotorikumi/iju/iju_koryu/index.html

残念ながら、高松市には現在移住支援制度はありません。空き家バンクについては、島内の不動産を扱う不動産業者がいないのと、男木島という立地に建てられた特殊な状況あり制度の適用が難しいという状況です。唯一あるとすれば、
島に越して来たら男木島の人たちが温かく迎えてくれます。

別荘にしたい・空き家活用をしたい

この件についてもよくお問い合わせ頂きますが、現在は移住希望者が多い為住む家が足りない状況です。空き家の家主さんも住んでくれるなら貸しても(売っても)良いよといいう条件などもあります。
ただ、家の状態がCを下回る空き家の家主さんは積極的に手放したがっている場合もあります。
今後定住以外で空き家を利用するケース、例えば男木島図書館男木島コワーキングなど増えてくるのではないかと予想はされます。

大工さんや工務店はないの?

島には大工さんは1人、建築業者が1社(有限会社ケノヒ)があります。
男木島で家を修繕・リフォームを行なう場合家の立っている場所によっては、町中の相場より高くなる傾向にあります。物資や重機の搬入が困難であったり、朝夕フェリーを利用して工事を行なうので人件費・運送費が余計にかかる為です。現在島では進行形でリノベーションしていますが、島外からの業者に依頼しながらDIYで進めるパターンが増えています。

どうでしたか?こうやって書くとすぐに住めないような印象もありますが、男木島住みたい!と強い熱意や希望があって物事が動くケースを何度も目の当たりにしてきました。家を修繕する事に楽しみを見いだせる方は楽しみ多い島だと思います。家一軒修繕するとある程度出来るようになるので、男木島で一緒に家の修繕をしてみませんか?お待ちしています。