男木島で次世代の教育ドキュメンタリー映画「Most Likely to Succeed」の上映会を開催

2019年6月11日(火)にアメリカで実験されている次世代の教育改革についてのドキュメンタリー映画「Most Likely to Succeed」の上映会を男木島で行いました。男木島に住む子育て世代の保護者十数名と、男木小中学校の校長先生を招いて、映画上映と映画内容を踏まえたディスカッションを半日行いました。

映画「Most Likely To Succeed」予告編(日本語)

映画「Most Likely To Succeed」について

「人工知能 (AI) やロボットが生活に浸透していく21世紀の子ども達にとって必要な教育とはどのようなものか?」というテーマについて、有識者や学校取材を2年間積み重ね制作されたアメリカのドキュメンタリー作品。

映画では、2000年にカリフォルニア州サンディエゴに設立された公立チャータースクールのHigh Tech High(HTH) 高校が舞台となっています。同校は現在世界で注目されている教科横断型で課題を解決する力を育む、STEAM(Science, Technology, Engineering, Art, and Mathematics) に重点を置いたプロジェクト型学習を採用し、アクティブ・ラーニングを実践しています。

日本でも2020年には小学校から新学習指導要領が開始されることになっており、従来の一方通行の学び方から「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング) が導入されます。今回の上映会は、こうした教育の流れを踏まえて、今後男木島での教育について考えるきっかけになれば、と開催されました。

男木島での教育環境

現在、男木島にある小中学校には島に住む小学生4名、中学生1名が通い、未就学児8名(2019年6月時点)の多くは同じく男木島にある男木保育所に通っています。高校はないため、中学卒業後は高松市内の高校に島から通う子もいれば、高松に住み週末だけ島に戻る子などさまざまです。

小中学校は一学年の人数が少ないため、一人の先生が学年の異なる生徒を一緒にみる複式学級式です。例えば、1・2年生の教室が一つ、3・4年生の教室が一つ、といった具合です。小学校については、すべてが担任制ではなく、科目によっては専任の先生が受け持っています。生徒数より教員数が多く、一人ひとりのペースに合わせて進めることができ、手厚い教育環境と言えると思います。

上映会当日の様子

保育所お迎え後も白熱した大人のディスカッション

島一周を歩いて回れるぐらいコンパクトな男木島で、島に住む子育て世代は日頃からお互いの家を子どもたちが行き来したり、図書館で集まって本を読むなど交流がありますが、教育について真剣に語る時間はなかなかありません。

90分の映画を見たあとのディスカッションの時間では、映画の感想の他にも、高松市内での学校教育vs 島での学校教育、アメリカやオーストラリアで教員をしていた保護者が考える教育の本質についての意見、男木小中学校で新しく出来ること、などたくさんの話題について日本語、英語を交えて語り合いました。

男木島の若い世代はほとんどが移住世帯です。アメリカ人の家族、海外に住んでいた家族、東京・関西からの家族などさまざまなバックグランドを持つ家庭の子どもたちが男木島という環境で一緒に遊び、学び、自分の道へ旅立つために大人が何をできるかについて考えた日となりました。

上映協力

上映にあたり、ご協力いただきました。ありがとうございました。

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